חנוכה ハヌカ(直訳 奉献)
『神殿奉献記念祭』『光の祭り』『宮きよめの祭り』
今年(2020年)のハヌカは
12月10日(木)日没から
12月18日(金)日没まで
コロナ禍の今年も、街中に🎄クリスマスの飾りつけが見られるシーズンになりましたね。
先週の日曜日はオジさんの教会でもクリスマスの飾りつけがありました。😀
話は変わりますが、
イスラエルは、11月17日から第9の月(キスレヴの月/כִּסְלֵו )に入りました。(唐突)w
キリスト教発祥の国イスラエル🇮🇱(ユダヤ教が国教)ですが、クリスマスを祝う人は少数なのをご存知でしたか?
イエスを十字架に掛けたユダヤ教、そのユダヤ教を攻撃したキリスト教、ユダヤ教を迫害したキリスト教へのユダヤ教の恨み...😢 等々....
その理由の1つには、キリスト教とユダヤ教の悲しい過去の歴史も関係している様です。
クリスマスの代わりでは無いのですが、この時期イスラエルでは、ハヌカ(חנוכה )と言う『神殿奉献記念祭』別名『光の祭り』『宮きよめの祭り』と呼ばれる8日間のお祭りがあります。
今回は、そのハヌカ(חנוכה )のアレコレです。
このハヌカですが、クリスマスより歴史は古く、イエス様の公生涯の160年近く前からお祝いされていました。
ハヌカは、神様が命じられた主の例祭ではありませんが、聖書に登場する歴史あるお祭りです。
そのころ、エルサレムで神殿奉献記念祭 חנוכה が行われた。冬であった。 イエスは、神殿の境内でソロモンの回廊を歩いておられた。
ヨハネ10:22 新共同訳
そのころ、エルサレムで宮きよめの祭 חנוכה が行われた。時は冬であった。
ヨハネ10:22 口語訳
ハヌカSTORY
ハヌカは、中間時代(旧約聖書が書かれてから新約聖書時代までの約400年の間)に起こった、マカバイ戦争時の奇跡の物語が起源となっています。
その物語を要約すると
🕎
イエス様の生まれる約160年前
紀元前165年、ダニエル書9章で預言された『荒廃をもたらすもの』だと言われる、神殿を汚したギリシャの支配者 アンティオカス・エピファニスから、ユダヤ人のマカベア家の人たちが、神殿を取り戻しました。
神殿は清められ、再びイスラエルの神の宮として献堂されたのです。
だが!しかし!
絶やしてはいけない、神殿の燭台の火ですが(出エジプト27:20, レビ24:2 )神殿を取り戻したその日、燭台のための油(神殿専用の特別な油)は1日分しか残っていませんでした。
(ギリシャ軍は聖油の壺を皆汚しましたが、汚されていない油壺が奇跡的に一つだけ残っていました。)
その1日分の油が、奇跡的に8日の間 絶える事なく燃え続けたのです。
それ以来今日まで、ユダヤ人たちはこの奇跡を記念して、8日間に渡って灯をともすハヌカを祝う様になりました。
と言うお話です。
🕎
この出来事から、ハヌカは『光の祭り』『宮きよめの祭り』とも呼ばれるのです。
ハヌカを読む
マカバイ戦争の詳しい物語は旧約聖書外典の『マカバイ記』で読む事が出来ます。
ユダヤ教とプロテスタントでは外典、カトリックは1と2を第二正典、正教会では1から3を正典としてます。
『マカバイ記』は、無料の聖書アプリで、新共同訳を選択すると読む事が可能です。
2020年のハヌカ
神殿が再奉献された日が、第9の月の25日だった為、ハヌカは毎年キスレヴの月の25日(24日の日没)から8日間行われる様になりました。
今年(2020年)のハヌカは、12月10日(木)日没から12月18日(金)日没まで。
AM5781年 (ユダヤ暦)では
第9の月 すなわちキスレヴの月(3月)の24日の日没から
第10の月すなわちテヴェットの月(4月)の3日の日没まで
クリスマス🎄アドベントでは、25日(西暦)までを数えますが、ハヌカは25日(ユダヤ暦)から8日間を数えます。
🕎 メノラー(燭台)は通常 7枝(厳密には中央の1本は枝ではないので6枝)ですが、ハヌカではハヌキヤと呼ばれる8枝(中央の1本を含め9枝)のメノラー(燭台)を使用します。中央の火種から、毎日一本づつ灯火していきます。
通常のメノラー Amazon
現代のハヌカ
イスラエル🇮🇱 では、マカベア一族の出身地のモディームからエルサレムまでの道のりを、聖火のたいまつを持った若者たちが走り、旧市街の嘆きの壁前に設置された巨大ハヌキヤに点火するそうです。(他にも色々有りますが、それはまたの機会に。)
また、ハヌカは🇺🇸 ホワイトハウスでもユダヤ教徒の式典としてお祝いされているそうです。
エルサレムの神殿は丘の上に有り、神殿の窓から溢れる巨大な燭台(メノラー)の光は、エルサレムの町の何処からでも見えたそうです。
エルサレムの町自体も標高の高い所にある町だった為、山の上の町と呼ばれていました。
イエス様が山上の垂訓で語られた 『山の上にある町は、隠れることができない。』は、この様な文化背景から語られたのだと思うと、当時の人たちは、ハヌカの光景を思い浮かべながらリアルに受け取ったんだろうなぁ〜と、ちょっと羨ましく思います。
きっとハヌカを迎える度に、イエス様の言葉と天に登って行かれるイエス様の姿を思い出した事でしょう。
まとめ
新約聖書では、私たちクリスチャンは、神の宮(神殿)として語られています。
『あなたがたは世の光である。山の上にある町は...』は、神殿の窓から溢れる灯を表現しながら、のちに来る内住の聖霊の事を預言している様にも感じます。
ハヌカの意味は「奉献」ですが、ハヌカの動詞形「ハナー」には、「訓練する」「教授する」「狭める、絞る」という意味があるそうです。
神様に「奉献」された神の宮である私たちは、光を溢れ輝かせる為に、主の教えを学び訓練される必要があるのかもしれない。と思うオジさんです。
この冬は、いつものクリスマス🎄ストーリーだけでなく、『マカバイ記』なども読んでみては如何でしょうか。
外典は、様々な問題を含む偽典と違い、知恵の書や歴史物語など、安心して読める内容だとオジさんは思います。
参考 聖書箇所
マタイ5:14~16
あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。
我々は今、キスレウの月の二十五日に、神殿の清めの祭りを祝おうとしている。あなたがたにも仮庵祭のように、この灯火の祭りを祝ってほしいので、この灯火の祭りについて説明しておこう。この灯火は、ネヘミヤが神殿と祭壇を築き、いけにえを献げたときに現れたものである。
出エジプト27:20
あなたはイスラエルの人々に命じて、オリーブを砕いて取った純粋の油をともし火に用いるために持って来させ、常夜灯にともさせなさい。常夜灯は臨在の幕屋にある掟の箱を隔てる垂れ幕の手前に置き、アロンとその子らが、主の御前に、夕暮れから夜明けまで守る。これはイスラエルの人々にとって、代々にわたって守るべき不変の定めである。
レビ24:1~4
特に明記ない場合、聖書引用は新共同訳聖書からになります。
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