聖書の祭りを学んでいると、1月の事を ニサンの月と言ったりアビブの月と言ったり、ティシュリの月 が政治暦の1月だったり... 私たちの1月が第10の月だったり政治暦の4月や5月だったり❓❓
人によってイヤルの月の事をイアルと言ったりイヤールと言ったり
と❓❓❓な事ばかり。
なので、色々と調べてまとめてみました。(呼び方は、発音や聞き取りの問題みたいですが... )
ユダヤの政治暦はバビロン文化
もともとのユダヤの月名は「第1の月」「第2の月」のように番号で呼んでいました、「ニサンの月」「イヤルの月」と呼ぶ様になったのは、バビロン捕囚以降で、この時から一年の始まりが「第7の月」の『ティシュリの月』になりました。
「ニサンの月」「イヤルの月」「ティシュリの月」等の呼び方は、バビロン名(アッカド語)での呼び方で『ティシュリの月』を一年の初めとする政治暦は、バビロニアの文化に由来するものなのです。
一部『アビブの月』の様にユダヤ文化の呼び方(カナン名)が聖書に登場します。
バビロン名での呼び方
第1の月:ニサンの月-3~4月頃(西暦) 政治暦7月
第2の月:イヤルの月-4~5月頃 政治暦8月
第3の月:シヴァンの月-5~6月頃 政治暦9月
第4の月:タンムズの月-6~7月頃 政治暦10月
第5の月:アヴの月 -7~8月頃 政治暦11月
第6の月:エルルの月-8~9月頃 政治暦12月
第7の月:ティシュリの月 -9~10月頃 政治暦1月(新年)
第8の月:ヘシュヴァンの月 -10~11月頃 政治暦2月
第9の月:キスレヴの月 -11~12月頃 政治暦3月
第10の月:テヴェットの月 -12~ 1月頃 政治暦4月
第11の月:シェヴァットの月 -1~2月頃 政治暦5月
第12の月:アダルの月 -2~3月頃 政治暦6月
第9の月:キスレヴの月 -11~12月頃 政治暦3月
第10の月:テヴェットの月 -12~ 1月頃 政治暦4月
第11の月:シェヴァットの月 -1~2月頃 政治暦5月
第12の月:アダルの月 -2~3月頃 政治暦6月
各月の聖書箇所や祭り
נִיסָן
第1の月:ニサンの月(30日)
太陽暦の3~4月頃
政治暦7月
ネヘミヤ2:1, エステル3:7
クセルクセス王の治世の第十二年の第一の月、すなわちニサンの月に、ハマンは自分の前でプルと呼ばれるくじを投げさせた。次から次へと日が続き、次から次へと月が動く中で、第十二の月すなわちアダルの月がくじに当たった。エステル3:7
カナン名「アビブの月」
「緑の穂」という意味
出エジプト13:4, 23:15, 34:18, 申命16:1
あなたたちはアビブの月のこの日に出発する。出エジプト13:4
「第一の月」が登場する聖書箇所は多数
「宗教暦」で新年の初め
- 過越の祭り(ペサハ)
- 種無しパンの祭り
- 初穂の祭り(ヨム・ハ・ビクリーム)
赤文字の行事は聖書に登場する祭り
ニサンはアッカド語(バビロン)で幸福の意味
אִייָר
第2の月:イアルの月(29日)
太陽暦の4~5月頃
政治暦8月
イスラエルの人々の共同体全体はエリムを出発し、エリムとシナイとの間にあるシンの荒れ野に向かった。それはエジプトの国を出た年の第二の月の十五日であった。
出エジプト16:1
カナン名「ジウの月」
新緑の「輝き」の意味(ジヴ、ジブとも)
ソロモン王が主の神殿の建築に着手したのは、イスラエル人がエジプトの地を出てから四百八十年目、ソロモンがイスラエルの王になってから四年目のジウの月、すなわち第二の月であった。列王 上6:1
- ラグ・バ オメル(オメルの33日目)
ラグ・バオメルは13世紀から始まったユダヤ教の祭り。過越祭から7週の祭までの7週間、オメル(麦の束)を数える33日目
イアルはアッカド語(バビロン)で花(薔薇)の意味
סִיוָן
第3の月:シヴァンの月(30日)
太陽暦の5~6月頃
政治暦9月
そのころ、第三の月のこと、すなわちシワンの月の二十三日に、王の書記官が召集され、インドからクシュに至るまで、百二十七州にいるユダヤ人と総督、地方長官、諸州の高官たちに対してモルデカイが命ずるがままに文書が作成された。エステル 8:9
五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。使徒2:1
シワンはアッカド語(バビロン)で季節、時期の意味
תמוז
第4の月:タンムズの月(29日)
太陽暦の6~7月頃
政治暦10月
第三十年の四月五日のことである。わたしはケバル川の河畔に住んでいた捕囚の人々の間にいたが、そのとき天が開かれ、わたしは神の顕現に接した。 それは、ヨヤキン王が捕囚となって第五年の、その月の五日のことであった。カルデアの地ケバル川の河畔で、主の言葉が祭司ブジの子エゼキエルに臨み、また、主の御手が彼の上に臨んだ。エゼキエル1:1
タンムズはアッカド語でバビロンの牧神(偶像)の名前
彼はわたしを、主の神殿の北に面した門の入り口に連れて行った。そこには、女たちがタンムズ神のために泣きながら座っているではないか。エゼキエル 8:14
אָב
第5の月:アヴの月(30日)
太陽暦の7~8月頃
政治暦11月
- 神殿崩壊日(ティシャ・ベアヴ)
アヴの月の9日は、「第一神殿の破壊」「第二神殿の破壊」「135年のバル・コクバの乱のバル・コクバの処刑された日」「1492年のスペイン追放」「1914年第一次世界大戦で独が露に宣戦布告した日」「1942年ワルシャワ・ゲットーから強制収容所へ送還の日」など、ユダヤ人にとって大きな災いが重なる日なので、特別この日を大贖罪日(ヨム・キプール)の次に重要な「祈りと断食の日」としています。
אֱלוּל
第6の月:エルルの月(29日)
太陽暦の8~9月頃
政治暦12月
エルルはアッカド語(バビロン)で収穫の意味
תִּשְׁרֵי
第7の月:ティシュリの月(30日)
太陽暦の9~10月頃
政治暦1月
(ティシュレー)
政治暦(農耕暦)で新年の初め
現代イスラエルの新年もこの月から
第七の月の一日は安息の日として守り、角笛を吹き鳴らして記念し、聖なる集会の日としなさい。あなたたちはいかなる仕事もしてはならない。燃やして主にささげる献げ物を携えなさい。レビ23
- ラッパの祭り(ヨム・トルーア)
- ロシュ・ハ・シャナ(新年)
- 大贖罪日(ヨム・キプール)
- 仮庵の祭り(スコット)
- 律法の祝典(シムハット・トーラー)
カナン名「エタニムの月」
流れ続ける「流れ」の意味だろうと言われている
エタニムの月、すなわち第七の月の祭りに、すべてのイスラエル人がソロモン王のもとに集まった。 列王 上8:2 (契約の箱、安置の日)
ティシュリはアッカド語(バビロン)で始まりの意味
מַרְחֶשְׁוָן
第8の月:ヘシュヴァンの月(29or30日)
太陽暦の10~11月頃
政治暦2月
(マルヘシュバンとも)
カナン名「ブルの月」
「産み出す」を意味する語根に由来すると言われている
ヤロブアムはユダにある祭りに倣って第八の月の十五日に祭りを執り行い、自ら祭壇に上った。ベテルでこのように行って、彼は自分の造った子牛にいけにえをささげ、自分の造った聖なる高台のための祭司をベテルに立てた。列王 上12:32
(ヤロブアム王の間違い)
ダレイオスの第二年八月に、イドの孫でベレクヤの子である預言者ゼカリヤに主の言葉が臨んだ。ゼカリヤ1:1
アッカド語で 第八の月、八番目の意味
כִּסְלֵו
第9の月:キスレヴの月(29or30日)
太陽暦の11~12月頃
政治暦3月
- 宮きよめの祭り(ハヌカ)光の祭典
そのころ、エルサレムで神殿奉献記念祭が行われた。冬であった。 イエスは、神殿の境内でソロモンの回廊を歩いておられた。ヨハネ10:22 新共同訳
そのころ、エルサレムで宮きよめの祭が行われた。時は冬であった。 口語訳
キスレヴは雨乞い(雨への期待と希望)の意味が有力とか....
טֵבֵת
第10の月:テヴェットの月(29日)
太陽暦の12~1月頃
政治暦4月
さて、エステルは王宮のクセルクセス王のもとに連れて行かれた。その治世の第七年の第十の月、すなわちテベトの月のことである。王はどの女にもましてエステルを愛し、エステルは娘たちの中で王の厚意と愛に最も恵まれることとなった。
エステル2:16-17
テベトはアッカド語で泥だらけの意味
שְׁבָט
第11の月:シェヴァットの月(30日)
太陽暦の1~2月頃
政治暦5月
第四十年の第十一の月の一日に、モーセは主が命じられたとおり、すべてのことをイスラエルの人々に告げた。申命記1:3(モーセが律法の説明をした日)
ダレイオスの第二年十一月、シェバトの月の二十四日に、イドの孫でベレクヤの子である預言者ゼカリヤに主の言葉が臨んだ。ゼカリヤ1:7
אֲדָר
第12の月:アダルの月(29日)
太陽暦の2~3月頃
政治暦6月
- プリムの祭り(エステル記の祭り)
こういうわけで、地方の町に散在して住む離散のユダヤ人は、アダルの月の十四日を祝いの日と定め、宴会を開いてその日を楽しみ、贈り物を交換する。エステル記9:19
閏月という意味?
閏(うるう)年?には通常のアダルの月(29日)の前に、もう一つアダルの月(30日)が有ります、その場合は閏月アダルを「第一アダル」、通常のアダルを「第二アダル」と呼ぶそうです。
あとがき
現代イスラエル🇮🇱 では、(西欧)キリスト教由来の西暦は(国際関係以外では)殆ど使われていないそうです。しかし、長年使用してきたユダヤ暦の月名や一年の始まりの月は、捕囚で苦しめたバビロンの影響を受けているんですね。
まとめて見て気が付いたのは、聖書にはバビロンの月名で登場する事は少なく、たとえ登場しても『第一の月、すなわちニサンの月』や『第十の月、すなわちテベトの月』の様に、バビロニア文化の中で生きる当時の人達が、理解しやすい為の神様の暦の説明としてしか登場しないと言う事です。
ここに、永遠に変わらない神様の基準とこだわりを かい間見ます。
バビロンは、首都の『バベルの塔』(創世記)から、イスラエルの歴史、未来に登場する、淫婦達と憎むべき者達の母『大いなるバビロン』(黙示録)に至るまで、聖書の最初から最後まで悪役(神に反抗する者の象徴)として登場します。
聖書の時代から現在に至るまで、神様の愛される国はバビロンの影響を受け続けているのです。そして西暦で生きる私達も同様に、神様の暦とは大きく異なる生活サイクルの中で生きているのです。西暦の月名や曜日の中にも異教の神たちと関係ある名前が有ります。
その事を憶えながら、そんな中でも『神に反抗する者』の影響から完全に解放される日が来る事を、待ち望もうじゃぁないか!と生きるオジさんです。
この記事は、個人の学びの為のまとめの様なものなので、今後意味の有りそうな聖書箇所などを見つけたら、報告なく追加していく予定です。^_^
特に明記ない場合、聖書引用は新共同訳聖書からになります。
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